360 Worlds

RICOH THETAを中心とした360°全天周パノラマに関する話題をお届けします

[PR]って書けっていうから書きますが、商品提供などがあったとしても特に記載がない限り率直な意見を述べたレビューであり、忖度した広告記事ではありません。アフィリエイトは利用しています。

最速突撃レポート!「RICOH THETA S」

(過去記事再編集)
360°全周囲をワンショットで撮影できてしまう「RICOH THETA」の3代目となる「THETA S」が発表されました。
https://theta360.com/ja/about/theta/s.html
その概要については前回の記事でまとめたのですが、もう居ても立ってもいられなくなってリコーさんに取材に行ってきました!
360.hatenablog.jp

ハードウェアについて

まずはハードウェア関連についてまとめた動画をご覧ください。

色々バージョンアップが施されているのですが、とにかく一番ハッキリ言えるのは
画質が飛躍的に向上したこと!
主な要因は

  • イメージセンサーの大型化(1/2.3型)
  • 新規設計の明るいレンズ(F2.0)
  • 画像処理フローの見直し

静止画の解像度はm15の約600万画素(3,584×1,792ピクセル)から約1,400万画素(5,376×2,688ピクセル)に一気に大きくなりました。
そして高解像度化だけでなく、明るくなった新設計レンズによって暗所ノイズが低減されました。
さらに後述する専用アプリを使うことにより描写が飛躍的に向上しました。


パッと見はほぼ同じ筐体ですが、微妙にサイズが大きくなっています。(ホント微妙)
ただし、ボディの薄い部分を従来より厚くすることでセンサーサイズを大きくしています。
これはパッと見じゃ気づかないくらいで、言われて比較して初めて分かった感じです。
これでセンサーが大型化できたんですね!ビックリしました!


ボディはつや消しブラックのソフトフィール表面処理(発表時にラバー塗装と言っていたものから訂正)によってしっとり滑らかな触り心地で初代THETAの質感に近いです。
今まで気になっていたボディの写り込みや余計な反射光はこれで軽減されるはずです。特にハードケース利用時には違いがハッキリ分かると思います。
つや消しブラックは初代THETA発売当初からユーザーの間ではずっと希望されていたものです。
高画質化された上位機種という位置づけの「THETA S」で満を持して採用ってことですね。
低コスト化を図ってポップでカラフルに登場したm15と上手く差別化はされていると思います。


側面のボタン類は上から電源ボタンWi-Fiボタン、そして新たに追加されたモード切替ボタンです。
モード切替ボタンを押すことによって静止画撮影と動画撮影を切替えることができます。

動画記録はフルHD(1,920×1,080)なのでm15と解像度は変わりませんが、フレームレートが15fpsから30fpsとなりました。
これで動きの速い被写体もスムーズに撮影することができるようになりましたね。
移動しながら撮影することも多いのでこれはパッと見でだいぶ印象が違うでしょう。
またm15では最長5分の撮影時間だったものが、最長25分まで拡大されました。


Wi-Fiの転送速度は約4倍に高速になり、内蔵メモリも4GBから8GBに倍増されました。
静止画動画共に画質が向上したので足回りも強化しないとついていけませんもんね。


また、モード切替ボタンを押しながら電源をオンにすると、ライブストリーミングモードで起動します。

底面には従来品同様にUSBポートが有りますが、さらにHDMIポートが追加されました。
これらのポートからDual-Fisheyeのライブストリーミングが可能になるのですが、USBとHDMIでは仕様が異なります。

  • USB:MotionJPEG形式、1280x720、15fps
  • HDMI:非圧縮 YCbCr 形式、1920x1080 / 1280x720 / 720x480、30fps

HDMIの方が高画質ってことですね。

ソフトウェアについて

THETA Sをスマホで操作するには、専用の新アプリ「RICOH THETA S」を使用します。
まずはレポート動画をご覧ください。

起動してみたらいきなりのライブビュー!
静止画撮影モード時のみですが、これでスマホ画面を見ながら撮影が可能となります。
感度やシャッタースピードなど各種設定の変更結果をリアルタイムに確認できるので「顔が暗くなっちゃった!」とかカメラ横に立っちゃって「顔が切れちゃった!」なんて失敗もなくなりますね。

ライブビューは全画面モードの他にパノラマモードがあります。
カメラの水平をチェックする場合や、全体を見渡してシャッターチャンスを狙う時に便利ですね。

今までのパノラマ写真は構図を三次元的に考えて仕上がりを予測して撮影していたので、空間認識能力のセンスが凄く必要だったんですよね。
でもこうやってライブビューとなると誰でも二次元的に確認しながら撮影できるので、今まで以上に何をどう撮るかっていうシチュエーションが重要になってきますね。
これってパノラマ業界からしたら凄く画期的なことなんじゃないかな?

そして静止画撮影モードではオート、シャッター優先、ISO優先に加え、マニュアル撮影ができるようになりました。

これもライブビューがあれば確認しながら調整できるので、特に難しいことはなく意図したものが撮影できるようになりますね。
ってことは今まで以上に表現できることが増えるってことで、センス以外にもカメラの知識が必要になってきますね。

でもそんな難しいこと考えなくても簡単にキレイに撮れるモードも追加されたんです。
それが「DR補正モード」「ノイズ低減モード」です。

  • DR(ダイナミックレンジ)補正モード:明暗差を少なくして白飛び/黒つぶれを軽減できます
  • ノイズ低減モード:暗所ノイズを低減できます


ノイズ低減モードに関してはシャッタースピードを遅くするという説明だったのですが、数枚撮って合成しているような感じがしました。
これについては入手してから検証してみます。
(動きのある部分がブレる感じではなく重なって見えたので)

それと今までスマホに転送されていた画像は縮小されていたのですが、THETA Sでは撮影解像度そのままの高解像度な状態で読み込みが可能です。
これでスマホ内でもキレイな写真を閲覧できるし、加工してSNSで共有できますね♪

さらに動画のパノラマ変換処理にはパソコンが必須でしたが、iOSの「THETA S」アプリ内でできるようになりました!
しかもメチャクチャ処理が速いんですよ!
これでパノラマ動画もiPhoneで変換して直ぐにSNSへ共有できちゃいます!
ここでスマホではなくiPhone(iOS)でって書いたのには理由があります。
(今回レビューしていませんがiPadにもユニバーサル対応されたとのことです)
Androidではスティッチ処理は行われないそうで、ビューワーでリアルタイムにパノラマ表示します。
変換処理がないぶん閲覧は速いのですが、他アプリで加工するといったことはできません。

画質比較

動画の最後に「初代THETA」「THETA m15」「THETA S」3台同時に撮影しました。
ここに並べておくのでクリックして原寸表示して比較してみてください。

THETA THETA m15 THETA S

そして“謎の声の主”はiPhoneケース展プロデューサーの弓月ひろみさんでした♪(^^)

まとめ

実際使ってみると、初代やm15を持っている方は買い換えた方が良いと思います。
買い換える価値があります!
それ程までに進化を体感できコストパフォーマンスに優れていると感じました。
ただしこの先もカメラとしての正常進化は続いていくはずなので、次期モデルはさらに静止画8K/動画4Kといった高解像度化が進んでいくことでしょう。
m15も併売されるのでお手軽に始めたいという人も増えるかもしれませんが、この価格差だったら「THETA S」を買わないと後悔すると思いますよ。