リコーの新型360度カメラ「THETA X」を試用しており、先日ファーストインプレッションとして記事を公開しました。
360.hatenablog.jp
実際に暫く使ってみて、良かった点や改良して欲しい点というのがだいぶ見えてきました。
- VやSC2から買い替えは必要?
- Z1とXのどちらを選んだら良いの?
そんな悩みのヒントになると思います。
それではまずは動画でご覧ください♪
外観/操作性
一際目につく大きなタッチパネル液晶。
従来であればスマホとWi-Fi接続して専用アプリを立ち上げないとできなかったような操作が、THETA X本体だけで殆どできてしまいます。
操作性もスマホアプリと殆ど変わらないので、違和感なくすんなり使いこなせると思います。
さらに直接Wi-Fiに接続できるので、ファームウェアアップデートやプラグインのインストールも本体だけで操作できます。
液晶画面が搭載されたことにより、シャッターボタンの形状が変更になりました。設定で画面タップでシャッターを切る事も可能です。
その他にも以前からユーザーの要望が多かった機能が色々採用されています。
THETAシリーズとしては初となるバッテリーとストレージの交換は、特に仕事で使うヘビーユーザーには嬉しい機能です。
また給電やデータ転送に使用するUSBポートが、本体底面から側面へと移動されました。
これで三脚などに固定して使用する際にもエクステンションアダプターなどが不要になります。
静止画
静止画解像度は11K!
フルオートで撮影したJPEGで従来機種と比べてみても解像感は素晴らしいですね。
(V:5376 × 2688、Z1:6720 × 3360、X:11008 × 5504)
こちらがTHETA Xでのフルオート360度写真。theta360.comで開いて全画面表示してみてください。圧倒的な解像感がひと目で分かるでしょう。
羊山公園から望む武甲山 THETA X オート #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
こちらは標準搭載されているHDRモードでの撮影。太陽周辺の白飛びはかなり軽減されてますけど、全体的にちょっと眠たい印象になってしまうかも知れません。
複数枚撮影して本体内で合成するので、屋外では完全な無風状態でないと被写体が動いてしまって解像感は下がります。
羊山公園から望む武甲山 THETA X HDR #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
屋内でのHDR撮影は効果抜群です!
拡大して見ても時計の細い針までしっかり描写してくれています。
あえて撮って出しを掲載しておきますが、編集で暗部を少し明るくしてあげるともっとキレイになりますね。
Sunny food works sakado でHDR撮影 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
こちらは車内のHDR撮影。シートの生地までよく見えます。
THETA X HDR撮影(撮って出し) #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
ただしTHETA XはJPEG記録のみの対応となり、RAW撮影ができません。
ってことでDualFisheyeプラグインなどのHDR-DNGも当然非対応です。
下の作例はTHETA Z1でHDR-DNG撮影して編集したものです。
THETA Z1 HDR-DNG9 #theta360 - Spherical Image - RICOH THETA
また現時点ではDualFisheye撮影ができないので、スティッチラインの精度が要求される場合にもちょっと困ります…。
とはいえ簡単にキレイに撮影できるということで、日常的に仕事で使用するような方にはTHETA Xが重宝されるでしょう。
個人的には失敗できない撮影に使用するなら、引き続きTHETA Z1を使うと思います。
動画
動画の解像度も最高5.7Kに向上しました。
それぞれの素材を元に5.7K@60fpsで編集しました。最高画質にしてご覧ください。
(ヘッドセットでの視聴は後半VR酔いに注意)
0:00〜:5.7@30fps、0:13〜:4K@30fps、0:25〜:4K@60fps、0:37〜:4K@60fps歩き。
やっぱり5.7K解像度は4Kよりもだいぶ鮮明ですね!
4Kでの30fpsと60fpsの違いは、VRヘッドセットで見た時にだいぶ印象が違うと思います。
天頂補正やスティッチを本体内でリアルタイムに行ってくれるので、撮影データの後処理不要でYouTubeなどで360度のVR動画として公開することができます。
ただし、やっぱり手ブレ補正が弱点です…
他社製品と比べると細かい上下動に特に弱い印象があります。
さらにVやZ1のソフトウェアスティッチの動画と比べると、繋ぎ目も天頂補正も精度が少し劣っているような感じです。しっかりと三脚に固定して撮影するなら良いのでしょうが、この辺は注意が必要です。
せめてハードウェアスティッチのON/OFFを切り替えられたら良いのですがね…。
まとめ
ということでTHETA Xのターゲットとなるユーザーは360度写真を簡単にキレイに撮りたい人。
カメラには詳しくないけれど仕事で360度写真を多用するという方にはぴったりなモデルでしょう。
やっぱりビジネス寄りなのかな?という印象です。
仕上がりにこだわる写真家やハイアマチュアであれば、個人的には引き続きTHETA Z1をオススメします。1型センサーはやっぱりキレイだし、RAW(DualFisheye)で撮影できるのは大きいんですよね。
そしてアクションカメラの様に360度動画を撮りたい方、これはやっぱりInsta360シリーズには敵いません。
360度ライブ配信にも使いたいならTHETA Z1、もしくはQoocam 8Kでも良いかも知れませんね。
360度カメラもかなり個性がハッキリしてきて用途に応じて選べるようになりましたね。
カジュアル派にはTHETA SC2もまだまだオススメですよ♪
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